乗馬(馬と仲良くなる方法)
By 五九郎
学生時代の馬術部の時の知識です。
”西日本大会 カナガシラ号と!”
はるか、はるか昔の事です・・・・・。
主催者側でしたので準備に大変でした。
あれこれと色々思いだします。
あーすれば良かった。こーすれば良かった!
●まず、馬とは。
大きいですが気はやさしく、賢いのです。背丈(背までの高さ)は
1、7m重さは450Kg。
●馬の魅力
何と言っても一番の魅力はあの大きなつぶらな瞳です。それから、
きりっと口を結んだ時の賢そうな口元。また、耳を前に立てたとき
のあの生真面目な顔。それから、おとがいというのですが下唇のし
た(人間でいうとあご)に柔らかい筋肉の固まりがあるのですが、
そこを手のひらで触ると温かく、柔らかくて気持ちいい。
●食べ物。
そりゃー何と言っても柔らかい草です。でも、草はおやつにしかな
らず。腹の足しになりません。基本はわらです。わらを3cmぐら
いに切ります。それに、麦、フスマを加え水をいれて混ぜます。そ
うそう、塩とカリュシュウムも少々いれます。これを、朝、昼、夕
の3回食べます。夜には草主体の夜食を食べます。にんじんもすき
です。角砂糖も美味しいそうです。
●食べものの与え方
長いもの
手で太鼓のバチを握るように握って馬の正面から。
小さいもの
手のひらをパチツと開いてその上に置いて。
つまり、馬は食べやすく、人は指を噛まれないようにするのです。
いやー、手のひらでやると、くすぐったいのですが気持ちがよいで
すよー。
●馬に近寄る時
絶対に突然に近付いては駄目。それも後ろからなどもっての他。ま
ず、正面から「馬に今から近づくよ」と合図をして、それを馬が認
識してから近づく事。その合図に「オーラ、オーラ、オーラ」と優
しく「私は味方だよ、心配しなくていいよ。」と言う風に声をかけ
ます。たてがみにリボンがくくりつけてある馬はかむ癖がある馬、
しっぽにリボンがつけてあるのは蹴る癖のある馬です。
●馬の走り方
並足 4つの足がそれぞれ別に動きます。乗っているとユラリゆら
りという感じ。
速足 4つの足がそれぞれ別に動きます。乗っているとカッカッと
いう感じで、お尻にかなりの反動がきます。その反動をぬく
ために、人がお尻をリズミカルに上げたり下げたりするのが
軽速足(けいはやあし)です。
駆足 前足、後足のペアで走る。いわゆる駆足で、乗っている人に
は反動がなくユッサユッサという感じ。駆足には前足の形に
よる手前があります。右手前の駆足、左手前の駆足といいま
す。
蹴歩 駆足よりももっと速度がでる走り方です。
●馬の寝方
立って寝る事ができます。疲れている時は首を起こしてしゃがんで
ねます。非常に疲れた時はごろんと横になりますが、滅多にありま
せん。
●乗り方(乗馬)
・左手で手綱とたてがみを同時にもち、右手は鞍をもち、タイミン
グ良く腕の力で、鉄棒に飛び上がる様に、まず、あがります。
・それから静かにまたがります。
・しっかり腰を割りバランスでのります。あぶみの上にのるのでは
ありません。
・あぶみの長さを調整。
・あぶみは、足の幅の一番広いところにいれます。あぶみと足とは、
そこにセンベイ一枚をいれて壊さないように維持する事ができる
圧力の関係です。
・手綱を両手でしっかりもち、馬の口との圧力(はみという)を一
定にするように柔らかく鞍の前の上10CMに固定します。
・あごを引き、背筋を伸ばし、目は前方10M以上をみます。
●降り方(下馬)
・首筋をペタペタと(よー頑張った、よかったぞー、またがんばろ
ーな)愛撫します。
・いっきに降りるのではなく、乗馬の逆の順で1、2、3でおりま
す。
・1で左手で手綱をたぐり、たてがみと同時につかみ、右手は鞍の
前をつかむ。
・2で右足を手前にまたぎかえし、両手で体重をささえます。
・3で着地します。
・手綱を馬の頭をまたぎ、前にもってきます
●服装
・長靴、乗馬ズボン(キュロット)、乗馬服(裾が長めで、えりの
高い、腰の所が絞ってある学生服)、角帽、拍車、鞭、白手袋
”龍峰号と馬房の前で”
●乗り方(騎乗)
・まさに、「鞍上鞍下に人無し。」、「人馬一体」です。
・腰をしっかり割って(騎座)、バランスでのり、あごを引き、背
筋を伸ばし、目は正面を見、あぶみはセンベイ一枚
こぶしは固定
堂々と
○前進
・鞍上から騎座で馬の背中を通じて推進を指示するのが基本です。
人がどんなに動いても拳は固定し、はみは一定にします。
○停止
・両脚で馬の体を絞め、手綱をひくとともに騎座を通じての推進を
止めます。
・停止すると全ての操作を止め、力を抜き、自然な状態のバランス
にします。
○発進
・拳を前に動かしはみを進めるとともに、(馬ははみが前にいくの
でそれに合わせようとして首が伸びます。)騎座で推進をかけま
す。拍車を一回、クリッと入れても良い。
○方向転換
・手綱で方向変更する方向に首をまげるとともに、両方の脚で、曲
がる方向に馬体が曲がる様にします。右回りなら右脚を少し前に、
左脚を10CMぐらい後ろにずらし、馬体をはさみます。進む力
が弱くなりますので推進を強めます。
○後退
・手綱(はみ)を引き気味にし、騎座でギュッと推進を駆けるとは
みに推進力が当たってはねかえり、後退の力になります。
○舌鼓
・人が口の中で舌を丸めて、伸ばして出す音で、馬に推進力を与え
ます。
○前肢・後肢旋回もできます。
●普通の練習
・部班運動といって、一列縦隊の団体で練習します。
・先輩が大きな声で号令します。
”きをつけーー”、”なみあーし”、
”まきのーり”、”はんまーき”、”ななめにてまえをかえー”
”ぜんたーいとまれー”、”さんぽこうたーい”
”ごほぜんしーん”
・1回生は、馬場のまわりに整列して見学です。
・2回生は、馬場のまわりで、悪いところを注意します。
●きつい練習
○乗馬30回
・馬を止めて、乗馬を数十回繰り返し行います。要するに”馬術部
の腕立てふせ”になります。腕が馬鹿になり勢いあまって馬の向
う側に落ちたりします。
○調馬索
・初心者用のバランス感覚を養う練習です。
・手綱の片方をはみからはずすと手綱が5M程度となり、それでも
って初心者を乗馬させ、半径5mの円をかきます。
・手は腰に当ててあぶみを上げ(はづし)て、バランスだけで乗り
ます。
・当然、遠心力が働きますので、外側に落ちそうになりますので、
身体全体でバランスをとらねばなりません。
○あぶみあげ
・中級者の練習で、バランスを保ちながら、馬をコントロールする
能力をつけます。
・あぶみを上げて部班運動を行います。
・馬の動きに合わせて、自分の体重移動を行わないと、落馬します。
正に人馬一体の1ステップです。
○あぶみあげ軽速足
・あぶみを上げ、軽速足(馬の反動に合わせて腰を上下させる)を
するので非常にキツイ練習です。。
・膝関節の内側にボルトを通したように、そこで固定させて軽速足
をします。当然、拳は固定させて。脚力、バランス、タイミング
を養います。
・これを良く後輩にさせる先輩は嫌われますが、やる方も充実感は
あります。
○前傾姿勢あぶみあげ軽速足
・一番肉体的にきつい練習です。
・あぶみあげ軽速足を障害飛越の時のように前傾姿勢で行います。
実際にはきつくてほとんど出来ません。
・根性をつけるには役にたつが、きつい割には効果が少ない練習で
めったにやりません。
○あぶみ上げ障害飛越
・前傾姿勢あぶみあげ軽速足の実戦版とも言えるのですが、馬も速
足ではなく、反動の無い駆足になりますので、肉体的にはきつく
ありません。
・しかし、軽速足よりも高速で障害飛越をしますので、危険度が高
くなります。これも、あまりやりません。
●合宿
・お金がありませんので近くの公民館を借りて自炊です。練習中は男
女平等ですから問題ないのですが、生活の作業はいつも少しもめま
す。つまり、何処の家庭でもおこるやつです。誰が(男性か女性か)
ご飯を作るかです。
・メニュは以下です。
4時 起き
5時 朝練開始
7時 朝練終了
8時 朝食
10時 作業(障害作り、部室整理、・・)
12時 昼食
14時 作業(草刈り、または昼寝)
16時 午後練開始
18時 夕食
21時 消灯
●馬の手入れ
・水洗い
・わらで全身マッサージ
・蹄洗い
●馬房掃除と敷きわら干し
・馬はわらの布団でねます。朝までに沢山のおしっこをします。わら
が毎日ぬれますので、毎朝外にだして干します。麦をたべますから、
全くビールの匂いです。
・夕方餌をやる時に、干したわらと追加の新しいわらで寝床をつくり
ます。
・寝床(馬房)の広さは4畳程度だったと思います。
●草刈り
・毎日、かまとドンゴロスをもって、近くの空き地やあぜにいきます。
・冬は草がありませんので、干し草を与えます。
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